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張り子 とは ? 意外と深い歴史や由来をまとめてみました

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張り子で出来た郷土玩具や人形を土産物屋や民芸品店の店先で見たことのある人も多いのではないでしょうか。ユニークで愛らしい張り子ですが、 張り子 とは どんな歴史があって、どうやって作られているのでしょうか?

この記事では、張り子の由来や歴史、代表的な張り子の種類と意味や縁起、そして張り子の材料について説明します。
張り子に興味がある!集めてみたい!という方は参考にしてみてください。

張り子 とは

「張り子」とは木や粘土、竹細工などでできた型に和紙などを重ねて貼りつけて成形し、
紙を乾燥させてから型を抜き取る技法で作った人形や器などの総称です。

張り子の歴史

張り子の歴史はかなり古く、2世紀頃の中国で始まったとされています。
日本には奈良時代から室町時代の頃に伝来したと言われていますが、
アジアやヨーロッパに広く技術が伝来しており、ベネチアのカーニバルで使用する仮面(ベネチアンマスク)も張り子で作られているそうです。

日本で大衆に張り子が普及したのは江戸時代の頃と言われています。
江戸時代になると、それまでは高級品だった紙が安価で庶民にまで流通するようになり、張り子作りも広まっていったと言われています。

張り子の材料

張り子は以下のような材料からできています。

  • 粘土や木でできた原型
  • 新聞紙
  • 和紙や半紙
  • 胡粉
  • 絵具

粘土や木でできた原型に、新聞紙を貼り付け、その上に和紙や半紙などを糊付けしていきます。
ある程度の厚みが出たら紙を乾燥させ、紙が十分に乾いたら型から外していきます。
型から外した際に入れた切り目を接着し、胡粉を塗って地塗りをしていきます。
その上から絵の具で彩色し、張り子の完成となります。

張り子といえば! 有名な張子細工

日本各地に様々な張り子細工がありますが、ここでは代表的な張子細工をいくつか紹介します。

ダルマ(群馬県高崎市)

日本各地に様々なだるまがありますが、有名なのは群馬県高崎市の「高崎だるま」。
禅宗のお寺である少林山達磨寺が発祥の地で、200年を超える歴史がある、縁起の良い張り子人形です。
明治時代の初期に「葦名鉄十郎盛幸」という型彫りの名人が高崎にいたことから、高崎の地に沢山のだるま職人が生まれ、高崎だるまが有名になっていったと言われています。

張子の虎(香川県)

もともとは、中国の虎王崇拝に由来があると言われている張り子の虎。
虎のように強くたくましく育ってほしいという願いを込め、子供の成長を祈る縁起物として飾られる張り子の人形です。
首と胴体は別のパーツからできており、首をつつくとゆらゆらと首と振るのが特徴です。

赤べこ(福島県会津地方)

福島県会津地方のシンボルとも言える赤べこ。
真っ赤な体につぶらな瞳がとても可愛いですよね。
赤べこの由来は諸説ありますが、江戸時代初期の地震で会津地方にあるお寺「円蔵寺」の「虚空蔵堂」が倒壊した際、その再建のための資材を運んだ赤毛の牛の伝承などがよく知られているようです。

ざるかぶり犬(東京都)

多産で出産も軽い犬にあやかり、安産のお守りとして有名な張り子の犬。
ざるをかぶった姿がユーモラスです。
子供の疳の虫をざるで掬ってくれるという願掛けや、水通しのいい「ざる」のように子どもの鼻が詰まらないようにという願い、さらにざるの素材の「竹」と「犬」を組み合わせると「笑」の字になるなど、ざるをかぶっている理由に関しては様々な意味があるようです。

まとめ

こうしてみると、一口に張り子といっても様々な種類や歴史があることがわかります。
張り子について知ることは、それぞれの土地の歴史や伝承、風習を知ることにつながるのかもしれません。
はるか昔に思いを馳せながら、お気に入りの張り子を探してみてください。

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